エシカル・ミッション@パリーダカールに向けて、クルマにデザインをラッピングする作業に取り掛かる。まずは写真撮影と各部のサイズをメジャーで採寸して図面を起こしていく。これは、2008年に南米大陸縦断で使用した20系プリウスの時から続けている儀式のようなもの。地道な作業だが、ラインを1本描くたびに未だ見ぬ旅の空へ思いを馳せながら、ジワリジワリと高揚していくこの工程が、ボクは大好きなのだ。
50系プリウスPHVは複雑で繊細なプレスラインがボディ全体を包み込み、陰影が豊かな表情を浮かび上がらせる。デザインするにあたり、それを考慮してシンプルな“薄化粧”と決めた。しかし、サハラへの熱い思いが感じられるようなアンバーカラーの大砂丘と満天の星空は譲れない。純白のボディがより美しく映えるギリギリのスペースを何度もシュミレートして、ようやくデザインを落とし込んだ。
仕上がったデザインデータを、製作・施工をお願いする「カービューティプロ」さんへ渡し、超特急で作業していただいた。何しろフランスへ輸送する船の出発が目前に迫っている。数日後、出力完了との連絡を受けて世田谷環八沿いの本社施工スペースにプリウスPHVを搬入すると、すぐさま施工が始まった。手慣れた職人さんの手で、みるみる表情を変えてゆくプリウスPHVは数時間でメイクアップ終了。引き受けていただいた小口社長も仕上がりに大満足だったのが何より嬉しい。
小口社長、作業していただいた山門さん、美しく仕上げていただきありがとうございました。