極寒の南フランス、峠越えルートでスペインへ

夜明け前、パリを出発する時に、いつもより少し冷え込むのを感じはしたが、まさかこれほどの降雪があろうとは夢にも思わなかった。温暖な気候で知られる南仏ボルドーやバイヨンヌは数十年ぶりの降雪でハイウエイがSTOP、チームACPの2台も渋滞に飲み込まれて数時間の足止めを余儀なくされた。渋滞の9割が物流を担う大型トラックだが、陽気なドライバーはあまり焦る様子もなく、ゆったりとコーヒーをすすりながら談笑している姿が印象的だ。

 

渋滞の列はあっという間に50キロ以上まで伸び、今日中に抜け出すのすら難しい状況だったが、数時間の停車後ジワリと動き出して500メートルほど進んだ先のロータリーで幸い一般道へ降りる事が出来たので、別のルートを検討することにした。

 

マップと睨めっこして決めたルートは「ピレネー山脈」最高地点標高1,400mの峠越えだ。さらなる降雪の可能性も高いが、交通量も少なくスムースに流れているという情報が入った。海沿いルートが動き出す保証は無く「何もしない」よりも、積極的に動く作戦だ。

 

夜明け前、指先がじんじんするほど冷え込むパリをスタート

 

フランスを縦走してスペイン国境を目指す

 

高速A10線の料金所は全て無人だった

 

全く動かない海岸線に見切りをつけて、ピレネー山脈峠越えを決断

 

 

積雪はあるが圧倒的にクルマが少なく走りやすい
雨混じりの雪が降っている

 

22時。マドリードはもうすぐそこだ。

 

冠雪美しい山脈を目指して急勾配を上りはじめると、海沿いのルートを目指す渋滞の車列が峠の中腹辺りまで連なり、抜け出すには数日掛かるのでは?と心配になる。一方、峠を目指すクルマは疎らで、数時間後には我々を含めて5・6台の小さな車列だけになった。時折、横殴りの風雪が視界を低下させるものの、路面は安定していて走りやすい。結果、ピレネー山脈越えは大正解!

 

 

パリを出発して20時間。積雪による渋滞や通行止めに悩まされながらも無事にマドリードに到着する事ができた。

明日は、ジブラルタル海峡望む港町を目指します。