バラ色の湖ラックローズ(Lac Rose 正式名称:レトバ湖)は、海水の10倍の塩分濃度を持つ塩の産地。パリダカのゴールとしても知られるこの潟湖を訪れた。ちょうどハルマッタン(貿易風がサハラ砂漠の砂を巻き上げて太陽が霞むほど埃っぽい)の時期だったのと、雨で湖面が上がっていたため綺麗なバラ色を見る事ができなかったが、再びこの地に立てたことは感慨ひとしおだ。湖面が下がる乾季の4月から5月にはバラ色が鮮やかになるというので観光で訪れる方は参考にして欲しい。ちなみにバラ色の正体はドナリエラ・サリナと呼ばれる赤い藻が水面から透けて見えるからで、ここに生息しているフラミンゴやモモイロペリカンはこの藻を餌としているためピンク色の羽根になる。
17年前にも訪れた場所で、当時は製塩職人が小規模に手作りしていたが、現在は企業が進出して職人を束ねた分業化が進み、大量の塩を採取していることから、水質の悪化、数百万羽生息している水鳥への影響などが懸念されている。
ラックローズを後にメーンルートを南下。ダカールを目指して1時間ほど走った所でインターチェンジが現れた。事前に分かっていたことだが、片側3車線の立派なハイウエイ、その快適さたるや。これまでダカール市内に向かうルートは慢性的な渋滞で2〜3時間掛かっていたのが、たったの15分でダカールへ到着する。中国資本で建設されるハイウエイ網は拡大を続け、セネガルのイスラム聖地トゥバまでの115kmも完成間近だという。
ダカール出口を降りて10分、この旅のゴール地「CFAO Motors」が見えてきた。大通りに面した大きな建物にTOYOTAのロゴを見つけ、旅の終わりを実感する。7,000km北のパリをスタートして3週間、出会った人々、場所、出来事が、時間を飛び越えてフラッシュバックする。一抹の寂しさを感じながらも、なにより事故なくメンバー全員が元気にゴール出来た事が嬉しい。
ラックローズから栄光のゴールへ
ご声援ありがとうございました。メンバー全員元気でゴールいたしました。
少しだけ、ほんの少しだけ立ち止まってこの旅を振り返ったら、また次の挑戦に向けて走り出します。