“牛のうんち”がどうして水素になるの?

酪農が盛んな鹿追町で飼育されている牛は2万頭以上。毎日のように膨大なふん尿が運び込まれ、その一部から水素が製造されているというが、いったい、どのよう方法で作られているのだろうか。

作業行程を調べると、いきなり化学反応式がツラツラと現れ、どうにも理解するまで時間を要する。そこでできるだけシンプルな行程図を描いてみたので、私と同様に苦手な方はもちろん、そうでない方もご覧いただきたい。
 

ふん尿から水素を製造する行程図(しかおい水素ファーム)

鹿追町全域から家畜のふん尿を回収

発酵槽に投入し微生物の働きでバイオガスを発生させる

分離膜でバイオガスをメタンガス と二酸化炭素に分離

メタンガスと水蒸気で水素と一酸化炭素を発生(水蒸気改質反応)

一酸化炭素と水蒸気を反応させ水素を発生(水生ガスシフト反応)

日本の水素ロード北海道編を「牛のうんち」由来水素だけで走破した

何度も述べている通り、日本の水素ロードで北海道を走ろうと思い立った最大の理由は、家畜のふん尿から製造した水素だけで旅することができるのでは?そう考えたからだ。

事実、北海道の雄大な大地を駆け抜け、最北端「宗谷岬」や最東端「納沙布岬」にたどり着いた時、「牛のうんち」由来の水素だけで走り切った満足感で、景色がいっそう輝いて見えた。


※製造工程で水素と同時に生み出される二酸化炭素は、家畜のエサである牧草が、光合成によって大気から固定化されたものなので、カーボンニュートラルです。